お酒が筋肉を分解する!?アルコールが筋肉や筋トレに与える影響とは?

お酒が好きな人だと、スポーツをした後に冷たいビールで一杯、という人も多いのではないでしょうか。

楽しむための軽いスポーツならそれでもいいかもしれませんが、体を鍛える目的での運動や筋トレの場合は、運動後のアルコール摂取はお勧めできません。

なぜお勧めできないのか、アルコールが筋肉にどんな影響があるのか、ここではアルコールと筋肉の関係について確認していきましょう。

アルコールが筋肉に与える影響

筋トレ後のアルコール摂取がお勧めできない理由として、アルコールが筋肉を分解したり、筋トレの効果を妨げるということが挙げられます。

主な影響として、以下の3つがあります。

タンパク質の合成が遅れる

筋トレで筋肉が増えるメカニズムは、筋トレで筋肉を傷付けて、それを修復することで元の筋肉より少し大きくなる、ということを繰り返すというものです。

そして、筋肉を修復するためにはタンパク質が必要になります。

しかし、アルコールを大量に摂取すると、肝臓がアルコールの分解・代謝のために働き続けるため、本来代謝されるはずの糖質やタンパク質の代謝が遅れてしまいます。

特に、タンパク質は筋肉を増やすためには必須の成分なので、タンパク質の代謝が遅れると筋肉が作られなくなってしまいます。

コルチゾールの分泌量増加

アルコールを大量に摂取すると、コルチゾールというホルモンが副腎という部分から分泌されます。

コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれているホルモンで、本来は肉体的・精神的なストレスを感じた時に分泌されるホルモンです。

しかし、お酒を大量に飲み過ぎた場合にも分泌されることがあり、このコルチゾールには筋肉を分解する作用があります。

そのため、筋トレをして筋肉を増やそうとしてもコルチゾールが分泌されてしまっては、筋肉が分解されて筋トレの効果が半減してしまいます。

テストステロンの分泌抑制

筋肉を増やすためには、男性ホルモンのテストステロンというホルモンが重要になります。

テストステロンには筋肉を生成する作用がありますが、アルコールを大量に摂取すると、テストステロンの分泌量が低下する恐れがあります。

筋肉自体を分解するわけではありませんが、筋肉の生成がされにくくなってしまうため、筋トレの妨げとなります。

飲酒後の筋肉痛はなぜ起きるか?

お酒を飲んだ翌日に、筋トレをしたわけでもないのに色んな箇所の筋肉が痛む、という経験はありませんか。

これには、以下の2つの原因が考えられます。

急性アルコール筋症

アルコールを大量に摂取すると、筋肉が痛んで破壊される症状が起きる場合があります。

これを「急性アルコール筋症」と呼びます。

筋トレでの筋肉痛は、負荷をかけることによって筋繊維を傷付けるものなので、回復する時に筋繊維が肥大し筋肉が増えます。

しかあし、急性アルコール筋症で痛みは筋トレの筋肉痛と違い、アルコールによって筋繊維が破壊・萎縮されている痛みなので、筋肉が増えるということはありません。

もし、お酒を飲むたびに筋トレではない筋肉痛を起こすようなら、慢性的なアルコール筋症になっている可能性があるので、お酒の量を控えた方がよいでしょう。

飲酒中の姿勢

アルコールによる筋肉痛ではなく、お酒を飲んでいる時の姿勢によって、体に無理な力がかかっていたという可能性もあります。

例えば、肘をついていたり、背中が丸まっていたり、姿勢が片方に傾いていたりなどです。

酔っている時だと意識せずに体勢が崩れてしまっていたのかもしれません。

お酒を飲んでいる時にずっと注意するのは難しいですが、思い付いた時には姿勢を正してみるとよいでしょう。

筋トレしている場合はお酒を飲んではいけない?

結論から言えば、筋トレを重視するならお酒は飲まない方がよいでしょう。

ですが、付き合いで飲むこともありますし、お酒が好きな人なら我慢することがストレスになってしまうかもしれません。

筋トレとアルコールを両立させるためには、以下の事に注意しましょう。

筋トレの日と飲む日をズラす

アルコールが筋肉を分解して筋トレ効果を半減させるなら、それぞれ違う日に行うようにしましょう。

アルコールが筋肉に影響を与えることに変わりはありませんが、別の日に筋トレで筋肉を増やせばデメリットを抑えられるでしょう。

運動後のお酒が楽しみな人もいるかもしれませんが、そんな場合は量を抑えてはいかがでしょうか。

お酒の種類を考える

アルコールによる肝臓への負担でたんぱく質等の代謝遅れるため、肝臓に負担の少ないお酒を選びましょう。

糖質や不純物の多いお酒は肝臓への負担が大きいので、それらの多い日本酒・ビール・ワインなどの醸造酒は控えて、ウイスキー・焼酎などの蒸溜酒を飲むようにするとよいでしょう。

ビタミン・タンパク質を摂る

アルコールの影響で栄養素が不足する分を、他の食べ物で補いましょう。

ビタミンは野菜や果物から摂ることができるので、サラダや野菜スティックを一緒に食べるとよいでしょう。

タンパク質は肉類に多く含まれますし、お酒に合うものも多いですが、カロリーも高くなってしまいます。

筋トレをする場合は、ダイエットも合わせて行っている場合も多いため、あまりカロリーの高いものは控えた方がよいでしょう。

高タンパク質、低カロリーのお酒のおつまみとしては枝豆や冷奴などがお勧めです。

お酒の量を控える

お酒が筋トレの妨げになるなら、お酒を控えてしまいましょう。

一切断ってしまわなくても、量を減らすだけでもいいですし、お酒を飲んでいる途中に水を飲んで肝臓の負担を抑えるのも効果があります。

お酒が筋肉を分解する!?アルコールが筋肉や筋トレに与える影響とは?【まとめ】

お酒が好きな人には残念な話ですが、お酒は基本的には筋肉に良くありません。

お酒を飲まないのが一番ではありますが、実際にはそうはいかないことも多いでしょう。

そんな時のために、悪影響を抑える方法だけでも知っておきましょう。

両立の難しい筋トレとお酒ですが、どんな影響があるかを確認した上で、両方とも楽しんでいきましょう。

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